はじめに:法人化した“あと”こそが本当のスタート
「個人事業から法人にしたけど、何をすればいいの?」
「登記が終わった後の実務がよく分からない」
そんな声はとても多いです。
法人化はゴールではなく、ビジネスのスタートライン。
特に一人法人や少人数経営の場合、「最初の準備」を怠ると、
税務・資金管理・信用面で後から苦労することになります。
この記事では、法人設立後にすぐやるべき5つの経営準備チェックリストを解説します。
チェック1:法人名義の銀行口座を開設する
最初にやるべきは「お金の流れを法人と個人で分けること」。
プライベートと事業の資金が混ざると、経理が煩雑になり、節税もできません。
ポイント:
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法人登記簿謄本、印鑑証明書、定款などを持参
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ネット銀行(GMOあおぞら、住信SBIなど)は開設スピードが早い
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クレジットカードも法人名義で作ると管理がラク
コツ:
最初の1社は地元の地銀やメガバンクで信用を作り、
サブでネット銀行を併用するのがベストです。
チェック2:クラウド会計ソフトを導入する
法人経理は個人事業よりも書類や仕訳が増えます。
手作業やExcelではすぐ限界が来るため、
最初からクラウド会計を導入するのが最も効率的です。
導入時のコツ:
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銀行口座・クレカをすぐ連携
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領収書はスマホで撮影してペーパーレス化
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毎月1回「数字をチェック」する習慣をつくる
ポイント:会計ソフトを入れておくと、決算・申告を税理士に頼む際もスムーズです。
チェック3:社会保険・税務関係の手続きを完了させる
法人になると、社会保険・税務届出は必須です。
これを放置すると、後からまとめて請求が来ることも…。
おもな手続きリスト(設立から2週間以内が目安):
税務署
・法人設立届
・青色承認申請書
・給与支払い事務所の開設届出書
・源泉所得税の納期の特例に関する申請書
年金事務所
・健康保険、厚生年金保険新規適用届
労働基準監督署・ハローワーク
・労働保険加入手続き
チェック4:資金管理とキャッシュフローの見える化
法人の倒産理由の多くは「赤字」ではなく「資金ショート」。
利益が出ていてもお金が足りなくなることがあります。
対策:
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売上の30%を税金・社会保険料として別口座に積み立て
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支払予定を月単位で一覧化(Excel・Notion・会計ソフトでOK)
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クレカ支払日と入金日を常に意識する
キャッシュフローが“見える”だけで、倒産リスクは激減します。
チェック5:会社の「信頼力」を高める基盤を整える
法人化の大きな目的は「信用力の獲得」。
そのために、次の3点を早めに整えましょう。
① コーポレートサイト or 名刺の作成
→ ドメイン取得・メールアドレス(例:info@yourcompany.jp)で信頼度UP
② 商工会・自治体への登録
→ 補助金・創業支援・地元ネットワーク情報が手に入る
③ 会計・税務書類の整理ルールを決める
→ 領収書や契約書をクラウド保存(Google DriveやDropboxなど)
まとめ:最初の“5つの準備”が会社の未来を左右する
法人化後は、登記よりも「実務準備」が大切です。
やるべきことは次の5つだけ。
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法人口座を開設する
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クラウド会計を導入する
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税務・社会保険の届出をする
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資金管理を仕組み化する
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信用を得るための基盤を整える
この5項目をしっかり整えれば、
経理・税務トラブルを防ぎ、安心して事業拡大に集中できる環境が整います。
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