はじめに:少人数法人にとって経理は“時間との戦い”
少人数や一人で会社を運営していると、営業・請求・経理・申告…
すべて自分でやらなければならない現実に直面します。
「税理士に頼むべきか?」
「自分でできる部分はどこまで?」
これを判断できるようになることが、効率的な経営体制づくりの第一歩です。
この記事では、少人数法人がムリなく・ムダなく経理を回す方法を詳しく解説します。
1. 税理士に依頼するメリット・デメリット
税理士に頼むメリット
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税務申告のミスを防げる
法人税・消費税・決算処理など、複雑な申告を正確に対応してもらえる。 -
節税・資金繰りのアドバイスが受けられる
税金を抑えつつ手元資金を増やす方法を提案してもらえる。 -
経理以外の経営相談もできる
創業補助金、資金調達、融資対応なども相談可能。
税理士に頼むデメリット
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顧問料が月額1〜3万円+決算料(10〜20万円程度)かかる
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自分で理解しないまま“丸投げ”してしまい、数字に強くなれない
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小規模のうちはコスト負担が大きい
→結論:最初は「一部だけ依頼」するのが現実的。
日常経理は自分で、決算や申告だけを税理士に任せる「スポット契約」もおすすめです。
2. 自分で経理を行うなら、クラウド会計の導入が必須
昔のようにExcelで帳簿をつける時代は終わりました。
今はクラウド会計ソフトを使えば、簿記の知識がほぼなくても経理が完結します。
ポイント
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銀行口座・クレカ・レジ・請求書サービスと連携して自動記帳
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請求書・見積書もソフト上で一元管理
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決算書・損益計算書も自動生成
手入力の手間が大幅に減り、経理時間を90%削減できます。
3. 少人数法人の理想的な経理体制の作り方【3ステップ】
ステップ①:日常業務を自動化する
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クラウド会計+ネットバンク+キャッシュレス決済で記録を自動化
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領収書はスマホで撮影してクラウド保存(ペーパーレス化)
ステップ②:月1回の「数字確認習慣」をつくる
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売上・経費・利益をグラフで確認
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無駄な支出がないかをチェック
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キャッシュ残高を必ず見る(黒字倒産防止)
ステップ③:決算・申告だけ税理士に依頼
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年1回の決算書・法人税申告はプロに依頼
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普段の帳簿が整っていれば、**決算料のみ**で依頼可能
4. 「経理が苦手」な社長こそ仕組み化すべき理由
経理を後回しにしていると、
「いくら稼いで、いくら残っているか」がわからなくなります。
これが小規模企業の赤字化の最大要因です。
クラウド会計+月次チェックを習慣化すれば、
数字を“感覚”ではなく“データ”で把握できるようになり、
経営判断のスピードと精度が劇的に上がります。
5. 税理士と上手に付き合うコツ
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「丸投げ」ではなく「共働」する意識を持つ
→ 自社の状況を共有し、数字を一緒に見ながら改善していく。 -
チャットやクラウドでやりとりできる事務所を選ぶ
→ 地方でもオンラインで対応可能。訪問不要。 -
料金体系を明確にする
→ 月額顧問・決算料・オプション費用を事前に確認。
まとめ:少人数でも経理は“自分で回せる時代”
小さな法人こそ、
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日常経理は自動化
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数字は自分で確認
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決算だけ税理士に依頼
というハイブリッド型の経理体制が最も効率的です。
経理をラクにすれば、経営にもっと時間とエネルギーを使えるようになります。
「経理が苦手」だからこそ、
“仕組み”を味方につけて強い小規模経営を実現しましょう。
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