「フリーランスとしての仕事が安定してきたから、そろそろ法人化を考えている」
そんな方からよくご相談をいただきます。
しかし、多くの方が口を揃えて言うのが──
「法人化したら資金繰りが不安」
「開業直後にお金が足りなくなったらどうしよう」
という“運転資金”への心配です。
今回は、実際に「創業融資300万円を受けて法人化を成功させたケース(※モデルケース)」をもとに、
「どのように準備を進めれば創業融資が通りやすくなるのか?」を具体的に解説します。
■ フリーランスから法人化へ:Aさんのケース
Aさん(32歳/デザイナー)
フリーランスとして5年間活動。継続的な取引先もあり、売上は安定。
取引先の拡大や信頼性向上を目的に「法人化」を決意しました。
ただし課題はひとつ。
「法人設立後、資金繰りをどう安定させるか」
社会保険の加入、オフィス契約、外注費の支払いなど──
法人化初期は支出が増える一方で、入金までのタイムラグが発生します。
Aさんは「創業融資を活用して、運転資金を確保する」という選択を取りました。
■ 創業融資の検討と準備
Aさんが相談したのは、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」。
創業前や法人設立間もない方でも利用できる制度です。
税理士と一緒に、以下のような準備を行いました。
① 創業計画書の作成
融資担当者が最も重視する書類です。
売上見込み、経費、利益計画などを現実的な数字でまとめました。
フリーランス時代の実績を根拠として、
「この取引先が継続する見込みがある」「過去3年の平均売上」などを数字で裏付け。
これにより、事業の継続性と安定性をアピールできました。
② 自己資金の確認
創業融資は「自己資金の有無」も重要です。
Aさんは貯蓄の一部を開業資金に充てる計画を提示。
これにより「本気度」と「計画性」を示すことができました。
③ 面談対策
融資面談では「事業への理解」「収益計画の説明力」が問われます。
事前に想定質問を整理し、練習を重ねました。
特に押さえたポイントは以下の3つ:
・なぜ法人化を選んだのか
・どんな顧客にどんな価値を提供するのか
・今後1年の売上見込みと資金計画
■ 結果:創業融資300万円を獲得!
準備から申請まで約3週間。
Aさんは日本政策金融公庫から300万円の創業融資を獲得しました。
この資金をもとに、法人登記費用・オフィス契約費・外注費・広告費などを確保。
スムーズに法人としての事業をスタートできました。
「資金面の不安がなくなったことで、営業や新しい仕事に集中できるようになりました」
とAさんは話しています。
■ 税理士が見た「融資成功の3つのポイント」
Aさんのケースから見えてきた、創業融資成功のポイントをまとめます。
1️⃣ フリーランス時代の実績を数字で見せる
創業融資は「実績ゼロの人より、継続性のある事業」が有利。
過去の売上・顧客・契約書などはすべて“信頼の証”になります。
2️⃣ 創業計画書を“現実的に”仕上げる
「夢」より「実現性」。
数字の裏付けがある計画書は、担当者の信頼を得やすいです。
税理士と一緒に作成することで、損益計画や資金繰り表の整合性も高まります。
3️⃣ 事前相談で方向性を確認する
いきなり書類を出すより、事前相談で方向性を確認する方がスムーズです。
公庫や自治体の創業支援窓口に相談するのも有効ですが、
税理士に事前に見てもらうことで“数字の説得力”が格段に上がります。
■ 法人化と創業融資はセットで考えるのがベスト
法人化を検討しているフリーランスの方にとって、
創業融資は「安定したスタートを切るための重要な資金源」です。
資金繰りが安定すれば、
-
設立直後の支払いにも対応できる
-
新規案件や採用にも前向きになれる
-
経営に集中できる
といったメリットが得られます。
■ まとめ:準備が成功のカギ
創業融資は“準備”がすべてです。
融資額や条件を左右するのは、数字の整合性と計画性。
フリーランスとして積み上げた実績を正しく整理すれば、
法人化後の融資も決して難しくはありません。
創業融資のご相談は青葉会計へ
当事務所では、
創業計画書の作成支援から面談対策まで、
税理士があなたと一緒に融資成功をサポートいたします。
「法人化の第一歩を、安心して踏み出したい」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
